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【英文法】三単現のsは意味とは?なんでこんなルールがあるの?

投稿日:2019-07-12 更新日:

真顔の猫

 

英語には、「三単現のs」っていう文法がありますよね。

主語が三人称単数で、現在形の場合、動詞にはsを付ける

というルールです。

 

英語学習者にとっては、この変なルールがあることによって、

  • 英文を作るたびに「s」が付くのかどうか考えなければならない
  • 英語のテストで「s」をつけ忘れると減点される

という嫌なことが発生します。

 

「なんでこんな文法があるんだ」と釈然としない気持ちになったり、
「このsの存在意義ってなんなんだ?」と腹立たしくなったりもします。

この、「三単現のs」を付ける意味について、また、なぜこんなものがあるのかについて説明していきます。

 

 

「三単現のs」という不可解なルール

この「三単現のs」は、よくよく考えてみると、何のためにあるのかわからない不可解なルールです。

というのも、動詞にこの「s」を付けることによって言葉の意味が変わるのかというと、実のところ、何も変わらないからです。

例えば、「run」に、「s」を付けて「runs」にしても、同じ「走る」であって、意味や使われ方が変わるわけではありません。

単に、主語が三人称単数で、現在形の場合には動詞に「s」を付けなければいけない、というルールが存在するのみです。

 

似たようなものの比較として、
語尾に「s」を付けるものとしては、「名詞を複数形にするときにはsを付ける」というルールがありますが、

この場合は、
「pencil」(一本の鉛筆)と「pencils」(複数本の鉛筆)のようになって、
「s」を付けるかどうかで言葉の意味が異なります。

 

では、この「三単現のs」って一体何なんでしょう?なんでこんなルールがあるのでしょうか?

 

はじめに結論から言ってしまうと、こうなります。

  • この「s」自体には意味はほぼ無いです。仮に「s」をつけ忘れたとしても言葉の意味は相手に伝わるでしょう。
  • だからといって付けなくてもいいかというとそうでもなく、やはり「s」を付けないと文法的には間違っているため、相手に違和感を感じさせる英語になってしまいます。
  • こんなルールがあるのは、英語の言語的な歴史が関係しています。

このそれぞれについて、もうすこし詳しく解説していきます。

 

三単現のsに意味はあるのか

ここまででも記述しているように、この三単現の「s」自体には意味はありません。

正確に言うと、「s」が付く付かないによって、動詞の意味や使われ方に違いは生じていません。

ですので、仮に「s」をつけ忘れたとしても、文の意味が相手に伝わらなくなるということは無いでしょう。

 

さらに言えば、もしも、英語にこの「三単現のs」のルールが存在しなかったとしても、言語としてなんら支障はなく、大した影響はないのではないかと思います。

 

「主語の推測に役立つ」というメリットはある

しいて言えば、ですが、このルールがあることによって、「主語の推測に役立つ」というメリットがあります。

例えば、話し相手が、ボソッとこんなことを言ったとします。

??? watches TV every day.

主語の部分がめちゃくちゃテキトーな発音だったため、よく聞こえなかったとします。

こんなときでも、watchesと動詞に「s」が付いていることによって、主語はIやYouではないことがわかります。
また、「主語はおそらく、HeかShe、または人名じゃないかな・・?」と推測できます。

もしもこれが、

??? watch TV every day.

と、「s」が付いていなかったのであれば、今度は逆で、HeやShe、人名が主語になることはあり得ません。

I、You、We、Theyあたりが候補となってきますが、実際の会話では、前後の会話の内容からもっと的確に絞り込んで推測できるでしょう。

 

三単現のsをつけ忘れるとどんな影響があるか

実際の会話において三単現の「s」をつけ忘れた場合、どんな影響があるのでしょうか?

例えば、ネイティブと会話をしていたとして、

He likes baseball.

というべきところを

He like baseball.

と、「s」をつけ忘れたとしても、さして問題にはなりません。

もともとこの「s」は弱く発音する部分で聞こえにくいので、そもそも「s」をつけ忘れたことに相手が気付かないかもしれません。

少なくとも、「s」をつけ忘れたから意味が通じない、ということはありません。

 

しかし、例えば、これが疑問文だった場合、

Does he like baseball?

と言うべきところを、

Do he like baseball?

と言った場合は、語感としてかなり違和感があります

 

文字で見ると、esが付いていないだけなので大差ありませんが、
音にしてみると、本来「ダズヒー・・」のものが「ドゥヒー・・」になるのはかなり変に感じます。

というのも、この形の疑問文ではDo heとなるパターンはないので、「ドゥヒー・・」と聞こえた時点ですぐにおかしな英語だと感じられるためです。

ネイティブは一瞬「え?Does heの間違いだよね?」と感じるのではないかと思います。
もっとも、Do heと言ったとしても文の意味は伝わるとは思いますが。

 

そもそもなぜこんなルールがあるのか、三単現のsの由来とは

意味が無いのであれば、そもそもなぜこんな変なルールがあるのでしょうか。

これは、英語にもともとあった語形変化の名残(なごり)なんです。

古英語、つまり、今よりずっと昔の英語では、実はこういう語尾の変化がたくさんあったのです。

 

三単現のsのルールは、
「主語が三人称単数で、現在形の場合、動詞にはsを付ける」
というものですが、

もともとは、一人称や二人称、また、単数だけでなく複数の場合でも、動詞の形が何らかの変化をしていました。

 

これは、西暦1000年ごろに使われていた英語の、主語による動詞の語形変化です。

動詞の人称変化【古英語】
 動詞:stelan(stealの古語)

  単数 複数
一人称 stele stel
二人称 stilst stel
三人称 stilð stel

(出典:Wikipedia「古英語の文法」より一部を抜粋)

 

こんな風に、主語が三人称単数以外でも、動詞が語形変化していたことがわかります。

 

対比として、現代の英語についても表にするとこのようになります。

 

動詞の人称変化【現代英語】
 動詞:steal

  単数 複数
一人称 steal steal
二人称 steal steal
三人称 steals steal

 

かつては複雑な語形変化があったものが、次第に簡略化され、現在ではほとんど変化しなくなりました。

唯一、三人称単数のときsが付く変化のみが、語形変化の名残として残っています。

それが三単現のsの由来です。

 

人間の体で例えるのなら「尾てい骨」みたいなもので、
大昔に尻尾があった名残として、ちょびっとだけ骨があるものの、今では何の役割も持っていない、そういうようなものです。

 

まとめ

ここまでの話をあらためてまとめてみましょう。

  • 三単現の「s」自体には意味はほぼ無く、仮に「s」をつけ忘れたとしても意味が相手に伝わらないということはない。
  • とはいえ、「s」を付けないと文法的にはまちがっているため、相手に違和感を感じさせる英語になってしまう。
  • 古英語ではもっと多くの語形変化があったものが、簡略化されていった結果、三単現のsのルールだけが残った、という背景がある。

結局のところ、三単現のsのルールは、それほど大した意味も役割もないものではありますが、この「s」をつけ忘れるとなんだか違和感のある英語になってしまう、というようなものでした。

 

このルールは、英語を学習しているうちに慣れてきて、次第に自然に感じるようになっていきます。

ですから、なんだか釈然としない気持ちになることもありますが、英語はこういうものなのだと割り切ってルールを受け入れていきましょう。

一方で、「s」をつけ忘れたからと言って意味が通じないということも無いので、英会話のときには神経質になりすぎる必要はない、ぐらいのスタンスで良いのではないかと思います。

 

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