英単語を覚えているときに、何回覚え直してもどうしても意味を覚えられない「苦手な単語」って出てきますよね。
単語を見るたびに、「ああ、また忘れた・・・。これ、なんだっけ・・?」となります。
こういう苦手な単語にはどう対処していったらいいのでしょうか?
覚えにくい単語であっても、それを覚えやすく変えていく方法があります。そして、確実に記憶に定着させるにはコツがあります。
そういった記憶のためのコツをいくつか紹介していきます。
苦手な単語を記憶に定着させるための、「3つの作戦」です。
目次
「思い出すこと」はクレーンゲームに似ている
単語の意味が思い出せないとき、答えを見ると、「ああ、そうだった」となりますよね。
思い出せない場合でも、単語の意味を知らないわけではなく、知ってはいます。
知ってはいるのだけれど、それは記憶の奥底に沈んでいて、引き上げることができない、というような状態です。
このことは、クレーンゲームに似ています。
単語の意味を思い出そうと、記憶の底から一生懸命引き上げようとしますが、クレーンがうまく引っかからず、引き上げることができない状態です。
この例えで言えば、「苦手な英単語」とは、表面がツルツルしていて引っかかりがなく、クレーンになかなか引っかからないような、そういう「厄介なモノ」です。
だから、がんばって思い出そうとしても持ち上げることができません。
この「記憶のクレーンゲーム」をいかに攻略するか、という観点から作戦を考えていきましょう。
作戦その1「単語との思い出作り」作戦
クレーンゲームの例えでは、苦手な単語は、表面に引っかかるところが無く、つかみにくいのが問題でした。
そこで、単語の記憶をクレーンでつかみやすくする手段が無いか、その方向性で考えてみましょう。
思い出ができるとしっかり記憶できる
ここで、クレーンゲームの例とはまた別に、「私たちは人の名前をどのように覚えていくのか」というテーマを考えてみます。
あなたのクラスや職場に、新しいメンバーが入ってきたとします。
出会った当初は、その人の名前をぼんやりとしか覚えていなかったとしても、日々過ごす中で、次第にしっかりと名前を覚えていくはずです。
どんな過程を経て名前を憶えていくのでしょうか?また、何をきっかけにしっかりと記憶するようになっていくのでしょうか?
その人がどんな人なのかわかってくると、例えば以下のような特徴を知るようになります。
- バスケットをやっている人
- 〇〇町に住んでいる人
- 赤い自転車に乗っている人
- 声が低い人
たとえ名前が思い出せなかったとしても、こういう特徴は思い浮かぶ、という状態になったりもします。
また、その人と何らかのつながりができると、名前をしっかりと覚えるきっかけになります。例えば、
- バーベキューのときにおなじグループだった
- 急に雨が降ってきたときに傘を貸してくれた
- 街で買い物をしていたら偶然会った
こういう「思い出」ができると、記憶に残りやすくなります。
その人についてのエピソードや思い出ができると、
名前、見た目、特徴、思い出、などが相互に連想されるようになり、記憶のネットワークができていきます。
こういう状態になれば、しっかりと記憶するようになります。
英単語についても同じことが言えます。
単語についてより深く知ったり、「単語にまつわる思い出」を作っていくことで、覚えにくかった単語の意味が覚えやすくなっていくのです。
単語に思い出が付随していくことによって、意味を思い出すきっかけが増えていきます。
先ほどのクレーンゲームの例に話を戻すと、思い出を作ることはこんなイメージになります。
記憶を引き出す引っかかりになる部分が増えることで、クレーンに引っ掛けやすくなり、引き上げられる可能性が高まります。(つまり、思い出しやすくなります。)
これが、作戦その1「単語との思い出作り」作戦、です。
その単語について調べたり考えたり、なんらかのアクションをすることで、その単語にまつわるエピソードを自分で作っていきます。
そうすると、単語を見たときに、そこからイメージや出来事が連想されるようになります。
その連想がキーとなって、意味を思い出す手助けをしてくれます。
思い出の作り方
単語との思い出を作る、とは、具体的にどうしたらいいかいいのでしょうか?
例えば、こんなことをします。
- 画像検索する
- 単語帳を使っているのであれば、単語帳に書き込む(メモや絵など)
- 例文を検索する
- 語呂合わせを考える
例として、「confection」(「菓子」という意味の単語です)という単語について、上記に上げた方法を行って思い出を作ってみます。
画像検索する
googleの画像検索を使えば、その単語に関連する画像を見ることができ、視覚的に単語のイメージをとらえることができます。
googleで検索したのち、画面上部にある「画像」をクリックすることで画像検索ができます。
そうすると、お菓子の画像がたくさん出てきます。文字を見るだけより、confectionが持つイメージを強烈に印象に残すことができます。
単語帳に書き込む
単語帳を使って単語を覚えている場合は、そのページになにかしら書き込むとそれが思い出として残ります。
confectionであれば、お菓子の絵を描くなどすれば、単語を見たときにその絵を思い出すことで意味が浮かびやすくなります。
例文を検索する
Weblioのような辞書サイトを使えば、単語の意味だけでなく、その単語を使った「例文」を検索することができます。
Weblioサイトを開き、「英語例文」タブをクリックすると例文検索できます。
confectionで例文検索をすると、例えば、
CHOCOLATE CONFECTION (チョコレート菓子)
a type of Japanese confection, called 'isomame' (磯豆という菓子)
のような例文が出てきます。
例文を見ると、その単語が具体的にどういう風に使われるものなのかを知ることができますし、具体例が記憶を強化します。
語呂合わせを考える
語呂合わせも効果的です。
例えば、
confection → コン、ヘクション! → お菓子を食べたら咳とくしゃみが同時に出た
みたいな語呂合わせを考えると、「confection」から「菓子」という意味にたどり着く、思い出し方のルートができます。
また、「自分で語呂合わせを考えた」ということ自体が思い出として残るため、記憶に残りやすくなります。
以上、例としてconfectionの思い出を作ってみました。
単に「confection」という文字だけでは無味簡素なものですが、思い出を作ることでconfectionに彩りやイメージが加わったり、そこからの連想が広がったりして、意味を思い出すまでのルートができていきます。
現に、ここまでの例を一通り読んだだけでも、confectionという単語から連想されることが広がったのではないでしょうか?
作戦その2「単語との出会いを増やす」作戦
作戦その2は、「単語との出会いを増やす」です。
記憶に定着させるカギとなるのは、思い出す回数です。
思い出すための何らかの「クレーンの引っかかり」ができたら、あとは何度も何度も単語の意味を思い出そうとすることで、だんだんと思い出せる成功率が上がっていきます。
クレーンゲームの例で言えば、「何度も引き上げる練習をすれば、より確実に引き上げられるようになる」ということです。
思い出す回数を増やすためにはどうすればいいのか?
その単語について意識するきっかけを人為的に作ってあげればいいんです。
具体的には、例えばこんな方法があります。
- 付箋紙に単語を書いて、冷蔵庫のドアやトイレの壁などに貼っておく
- スマホのロック画面の壁紙を、単語が書かれた画像にする(人に見られたら恥ずかしいですが)
- てのひらに書く
「単語との出会いを増やす作戦」は、要するに、よく目にする場所に書いておくことで、頻繁に目に入るようにしておくということです。
古典的な方法ですが、効果はあります。
作戦その3「単語を無理やり使う」作戦
作戦その3は、「単語を無理やり使う」です。
単語を使って英文を作り、(独り言でいいので)喋ることによって、記憶に定着しやすくなります。
単語を覚えようとする過程は、基本的に脳へのインプットの作業となりますが、
単語を使って文を作ったり話したりすることは、逆に、アウトプットになります。
インプットとアウトプットでは、脳内で使われる回路が異なるため、
アウトプットを行うことで、単語の記憶と頭の中の回路との結びつきがより強固になり、記憶に定着していきます。
クレーンゲームに例えるなら、クレーンのツメで引っ掛けるだけでなく、別の力で、例えば磁力も併用して吸い付けるようなイメージでしょうか。
(ややこじつけな例えではありますが)
「英文を作って喋る」となるとハードルが高く感じてしまいますが、
アウトプットすること自体に目的があるため、喋る内容は大して意味がないものでも構いません。
無理やりでもいいので、とにかくその単語を使って独り言を言ってみます。
例えば、confectionを使って喋るのであれば、
I really like these confections. (このお菓子は本当に好き)
Do I have any confections in my bag? (バッグの中にお菓子が入っていたかな?)
こんな感じの独り言だったり、もっと簡素な言葉でもいいのでとにかく言ってみることが大事です。
まとめ
苦手な英単語への対策法として、思い出すことをクレーンゲームに例え、そしてこの3つの作戦を紹介してきました。
- 「単語との思い出作り」作戦
- 「単語との出会いを増やす」作戦
- 「単語を無理やり使う」作戦
どんなに苦手な単語であっても、工夫をしたり、がんばって思い出しているうちに、いつかは記憶に定着するものです。
むしろ、苦労した分、強く記憶に残ることもありますので、そういう単語こそ丁寧に向き合ってみましょう。